レイニー・ナイト・イン・ジョージア

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ブルック・ベントン、「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」。

オーケー、
一曲目。
これをただ黙って聴いてくれ。
本当に良い曲だ。
暑さなんて忘れちまう。
ブルック・ベントン、
「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」。

―村上春樹,風の歌を聴け

Brook Benton: Rainy Night in Georgia

TrackTitlePerformerWritten by
ARainy Night in GeorgiaBrook BentonTony Joe White
BWhere Do I Go From HereBrook BentonBrook Benton, James Shaw
Label:Cotillion Catalogue:45-44057 Date:Dec 1969

ブルック・ベントン最大のヒット曲だろう、
それがこの『Rainy Night in Georgia』だ。

シングル・リリースされて、
Billboard Hot 100では4位になっている。

Best Selling Soul Singlesでは、
1位に輝いている。

1970年リリースのアルバム、
『Brook Benton Today』のオープニング・トラックでもある。

この曲以前に少しばかり低迷していた彼にとっては、
この『Rainy Night in Georgia』は復活の曲になったといっても良いはずだ。

物語の中では、
ラジオN.E.B『ポップス・テレフォン・リクエスト』で流れる。

うんざりするような暑さなんて御機嫌なロックを聴いて吹き飛ばそう、
とDJが最初に掛けるのがこの曲だ。

Hoverin’ by my suitcase
Trying to find a warm place
To spend the night
Heavy rains are falling
Seems I hear your voice calling It’s Alright…

―Tony Joe White: Rainy Night in Georgia

スーツケースを引き摺って
一晩過ごせる
暖かい場所を探しているんだ
激しい雨が降りしきる中
気のせいかなオマエの大丈夫よという声が聞こえるのさ…

Orignal by Tony Joe White

オリジナルは、
1967年にこの曲を書いたトニー・ジョー・ホワイト。

1969年にリリースされたアルバム、
『…Continued』収録曲。

ベントンとは当たり前だけど違っていて、
最初はベントンの方が良いって思っていた。

でも聴いているうちに、
どんどん良くなっていくもの何かがちゃんと隠れているのだ。

おまけ

素晴らしいね、
これが音楽だ。
ブルック・ベントン、
「雨のジョージア」、
少しは涼しくなったかい?

―村上春樹,風の歌を聴け

曲のイントロが流れると、
現実が霞んで歌の世界の情景が浮かぶ。

暑さなんて忘れちまう、
というのもあながち大袈裟でも嘘でもないのだ。

そんなふうに音楽が、
何処かへ連れて行ってくれることがある。

同じ曲でもそうなる時と、
全くそうならない時がある。

そんな中で、
この曲はかなりの確率で雨が降っているある夜へと連れて行かれてしまう。

どんな夜だったかって?
興味ないだろ?

人それぞれ、
いろんな雨の夜の記憶があるはずだ。

無理に共有する必要なんて、
全くない。

雨歌

タイトルに『Rain』が付いている曲って、
結構たくさんある。

以前わりかし誰でも知っているような曲を集めて、
雨歌のプレイリストをつくったことがある。

今回は、
またちょっと違う感じで。

Randy Newman: I Think It’s Going to Rain Today

先ずはランディ・ニューマン、
1968年のデビューアルバム『Randy Newman』の収録曲。

彼の曲で、
多分1番カヴァーされている曲。

もちろん書いたのは、
ニューマン自身。

前回選んだニーナ・シモンのカヴァーが素晴らしいけど、
このオリジナルも聴けば聴くほどに良くなっている感じだ。

Tommy Dorsey & His Orchestra: Come Rain or Come Shine

トミー・ドロシー楽団が、
1946年に初めてこの『Come Rain or Come Shine』を吹き込んでいる。

唄っているのは、
サイ・オリヴァー。

これは前回選んだビリー・ホリデーのカヴァーが結構好きなんだけど、
これも悪くない。

Shep Fields and His Rippling Rhythm Orchestra: September Rain

1937年、
シェップ・フィールズ・アンド・ヒズ・リプリング・リズム・オーケストラ。

唄っているのは、
ボビーゴデイでこれが1番最初に吹き込まれた『September Rain』。

書いたのは、
アル・デュビンとハリー・ウォーレン。

このカヴァーは結構あるんだけど、
最初のもので。

Arnold Frank and His Roger’s Cafe Orchestra: Rain

この『Rain』は1927年、
アーノルド・フランク & ヒズ・ロジャーズ・カフェ・オーケストラ。

唄っているのは、
とスタン・トンプソン。

書いたのは、
ユージン・フォード。

Bea Wain with Orchestra: Blue Rain

ビー・ウェイン、
1939年の『Blue Rain』。

書いたのは、
ジミー・ヴァン・ヒューゼンとジョニー・マーサー。

オケの指揮は、
ウォルター・グロス。

坂本龍一: Rain

坂本龍一2004年のアルバム『/04』の収録曲で、
4台のピアノの多重録音。

元々は1987年ベルナルド・ベルトルッチ監督の映画『The Last Emperor』の挿入曲で、
そちらのタイトルは『Rain (I Want a Divorce)』。

映画では溥儀との別れを決意した第二皇妃が、
ドアに置手紙を差し込んで階段を走り降り雨の降る中を歩いて去るシーンで流れる。

ドビュッシー: 6つの古代のエピグラフ, L. 131, CD. 139

ドビュッシーが書いたこの『6つの古代のエピグラフ』は、
6つの小品からなる組曲はもともとピアノ二重奏用に書かれたもの。

ドビュッシーの友人、
ピエール・ルイスの詩集『ビリティスの歌』の朗読を伴奏する付随音楽として1990年に書かれた。

最初はフルートとチェレスタとハープのためのものだったけど、
1914年にピアノ連弾曲として完成。

後に、
指揮者アンセルメにより管弦楽に編曲されている。

モーツァルト: 四手のためのピアノソナタ ハ長調 K.19d

1 Pour invoquer Pan, dieu du vent d’ete(夏の風の神、パンに祈るために)
2 Pour un tombeau sans nom(名前のない墓のために)
3 Pour que la nuit soit propice(夜が幸先の良いものとなるように)
4 Pour la danseuse aux crotales(クロタレスのダンサーのために)
5 Pour l’égyptienne(エジプト女のために)
6 Pour remercier la pluie au matin(朝の雨に感謝するために)

そのアンセルメ指揮、
スイス・ロマンド管弦楽団の演奏。

それと、
ピアノの連弾の方。

こちらは、
ラベック姉妹2016年の『Invocations』収録曲。

武満徹: 雨の樹 / 雨の樹 素描 / 雨の樹 素描II~オリヴィエ・メシアンの追憶に

大江健三郎短編小説集『「雨の木」を聴く女たち』、
その作集の第一作『頭のいい雨の木』にインスピレーションを得て武満徹が書いたのが『雨の樹』。

この曲の初演を聴いて大江が書いたのが、
第二作「「雨の木」を聴く女たち」。

ロバート・エイトケン、
2001年『武満徹:そして、それが風であることを知った/雨の樹/海へ 他』収録曲で。

これ以外にも『雨の樹 素描 』という、
ピアノ曲がつくられている。

これは蔵島由貴のピアノ、
2006年のアルバム『献呈』収録曲で。

それと『雨の樹 素描II~オリヴィエ・メシアンの追憶に』という、
もう1つのピアノ曲もつくられている。

こちらは、
ハンス・パルソン1999年『I Doda Mastares Sallskap、Vol. 5』収録曲で。

Red Hot Chili Peppers: The Adventures Of Rain Dance Maggie

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、
2004年のアルバム『I’m with You』収録曲で最初のシングル・カット曲。

Billboard Alternative Songsでは、
4週間連続でチャートのトップに君臨。

新ギタリスト、
ジョシュ・クリングホッファーを迎えての初のシングル。

X: ENDLESS RAIN

X1989年のシングル『ENDLESS RAIN』は、
同年のアルバム『BLUE BLOOD』の収録曲。

書いたのは、
もちろんYOSHIKI。

最近になって、
普通に聴けるようになった。

Rainy Night in Georgia 関連 Playlist

最後は、
Rainy Night in Georgiaとその関連曲(と言えるかどうかは別にして)プレイリストで。

全2曲(7曲)、
1時間8分。

01 Brook Benton: Rainy Night in Georgia
02 Brook Benton: Where Do I Go From Here
03 Tony Joe White: Rainy Night in Georgia
04 Sunder Storm & Rain Sounds, Thunderstormsm, BodyHI:
リラクゼーションのための雷雨の音
05 Randy Newman: I Think It’s Going to Rain Today
06 Tommy Dorsey & His Orchestra: Come Rain or Come Shine
07 Shep Fields and His Rippling Rhythm Orchestra, Bobby Goday: September Rain
08 Arnold Frank and His Roger’s Cafe Orchestra, Stan Thompson: Rain
09 Bea Wain with Orchestra: Blue Rain
10 坂本龍一: Rain
11 坂本龍一: Rain (I Want a Divorce)
12 Thunderstorm Sound Bank: Runbring Thunderous Boom
13 ドビュッシー: 朝の雨に感謝するために
エルネスト・アンセルメ指揮, スイス・ロマンド管弦楽団
14 ドビュッシー: 朝の雨に感謝するために
ピアノ: ラベック姉妹
15 武満徹: 雨の樹
トロント・ニュー・ミュージック・アンサンブル
16 武満徹: 雨の樹 素描
  ピアノ:蔵島由貴
17 雨の樹 素描II~オリヴィエ・メシアンの追憶に
ピアノ:Hans Palsson
18 Nature Radiance, Thunderstorm Sleep, Thunderstorm Bank ,
Sound of Thunderstorm & Rain : The Light Rain in the Forest
19 Red Hot Chili Peppers: The Adventures Of Rain Dance Maggie
  

村上春樹: 風の歌を聴け で流れる他の音楽たち

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