僕の後ろではあの時代遅れのピーター・ポール&マリーが唄っている。
今、
―村上春樹,風の歌を聴け
僕の後ろではあの時代遅れのピーター・ポール&マリーが唄っている。
「もう何も考えるな。
終ったことじゃないか。」
ピーター・ポール&マリー、
唄っているのが『もう何も考えるな。終ったことじゃないか。』。
とくれば、
曲は『Don’t think twice, it’s alright』になる。
Peter, Paul & Mary: Don’t think twice, it’s alright
Well, it ain’t no use to sit and wonder why, babe
―Bob Dylan: Don’t think twice, it’s alright
Even you don’t know by now
And it ain’t no use to sit and wonder why, babe
It’ll never do somehow…
ねえ 座り込んでナゼ?って悩んでも 意味はないんだよ
今になってもわからないのなら
座り込んでナゼ?と悩んでも 意味ないんだ
もうどうにもならないんだから…
このピーター・ポール&マリーの『Don’t think twice, it’s alright』は、
1963年のシングル。
書いたのは、
ボブ・ディラン。
ノエル・ポール・ストーキーとピーター・ヤローが書いた『Autumn To May』をB面に、
A面でリリース。
同じ年のアルバム、
Billboard 200で1位になっている『In the Wind』の収録曲でもある。
このアルバムにはディランの書いた曲が3曲入っていて、
そのうちの1曲がこの曲。
Bob Dylan: Don’t think twice, it’s alright
オリジナルの『Don’t think twice, it’s alright』は、
1963年のディラン2枚目のアルバム『The Freewheelin’ Bob Dylan』収録曲。
メロディーの冒頭は、
トラディショナル曲『Who’s Gonna Buy Your Chickens When I’m Gone』に基づいているらしい。
そのメロディを使ったのが、
ポール・クレイトン『Who’s Gonna Buy You Ribbons (When I’m Gone)』。
ウディ・ガスリーのカヴァー『This Land Is Your Land』をA面に、
1960年にシングルのB面でリリース。
曲のクレジットは、
クレイトン自身になっている。
ディランがこの曲を使うよと言って書いたのが『Don’t think twice, it’s alright』で、
盗作疑惑でそれぞれの出版社が訴訟を起こしている。
Track | Title | Written by |
A | This Land Is Your Land | Guthrie |
B | Who’s Gonna Buy You Ribbons (When I’m Gone) | Clayton |
ディランは、
この『Who’s Gonna Buy You Ribbons (When I’m Gone)』の歌詞も一部拝借している。
『So I’m walkin’ down that long, lonesome road』のところが、
『So I’m walkin’ down that long, lonesome road babe, where I’m bound, I can’t tell』。
Quit Your Low Down Ways
アルバム『In the Wind』のディランの書いた曲、
残り2曲のうちの1つは『Quit Your Low Down Ways』。
1991年、
『The Bootleg Series Volumes 1-3 (Rare & Unreleased) 1961-1991』収録曲。
You’re gonna need
―Bob Dylan: Quit Your Low Down Ways
You’re gonna need my help someday
Well, if you can’t quit your sinnin’
Please quit your low down ways…
オマエには必要になるのさ
オレの助けが必要になるんだ
まあ罪を犯すことを止められないんだったら
卑劣な行為は止めてくれ…
Kokomo Arnold: Milk Cow Blues
この歌詞は引用?
という曲がある。
それがココモ・アーノルド、
1934年の『Milk Cow Blues』。
アーノルドの書いた曲で、
B面の『Old Original Kokomo Blues』と共にA面でリリース。、
Track | Title | Written by |
A | Milk Cow Blues | Arnold |
B | Old Original Kokomo Blues | Arnold |
例えば、
上の歌詞は多分ここからだろう。
‘Cause you gon’ need, you gon’ nee-eed my help someday
―Kokomo Arnold: Milk Cow Blues
Mama, if you can’t quit your sinnin’, plea-ease quit your low-down ways…
唄い方も『plea-easeplea-ease』のところが、
まさに同じ感じだ。
Blowin’ in the Wind
アルバム『In the Wind』のディランの書いた曲、
残り2曲のうちのもう1つは『Blowin’ in the Wind』。
ディランのオリジナルは、
やはり『The Freewheelin’ Bob Dylan』の収録曲。
The answer, my friend, is blowin’ in the wind
―Bob Dylan: Blowin’ in the Wind
The answer is blowin’ in the wind…
友よ 答えは風に吹かれている
答えは風に吹かれている…
Odetta: No More Auction Block
この曲の元うたじゃあないの?
というのがオデッタの『No More Auction Block』。
1964年、
オデッタのカーネギー・ホールでのライヴ・アルバム『Odetta At Carnegie Hall』の収録曲。
デイラン自身のヴァージョンもあって、
既に出てきた『The Bootleg Series Volumes 1-3 (Rare & Unreleased) 1961-1991』に収録。
おまけ
ピーター・ポール&マリーと言えば、
やはり『If I Had a Hammer』を最初に思い出す。
Peter, Paul & Mary: If I Had a Hammer
1962年のシングルで、
メンバー3人で書いたB面『Gone the Rainbow』と共にA面でリリース。
Track | Title | Written by |
A | If I Had a Hammer | Hays, Seeger |
B | Gone the Rainbow | Travers, Stookey, Yarrow |
Billboard Hot 100では、
最高位10位。
The Weavers: If I Had a Hammer
この曲を書いたのは、
ピート・シーガーとリー・ヘイズ。
It’s the hammer of Justice
―Bob Dylan: Blowin’ in the Wind
It’s the bell of Freedom
It’s the song about Love between my brothers and my sisters
All over this land…
それは正義のハンマー
それは自由の鐘
それは兄弟姉妹の愛に関する歌
この地全体のための…
1949年にシーガーとヘイズ、
ロニー・ギルバートとフレッド・ヘラーマンのウィーバーズが最初に吹き込んでいる。
翌年1950年、レス・ライスが書いた『Banks of Marble』と共に、
A面でリリース。
Track | Title | Written by |
A | If I Had a Hammer | Hays, Seeger |
B | Gone the Rainbow | Travers, Stookey, Yarrow |
The Great March on Washington
この曲は1963年のワシントンD.C.で行われた人種差別撤廃を求めるデモ、
いわゆる『ワシントン大行進』の時に演奏されている。
キング牧師による、
あの有名な『I Have a Dream』の演説が行われた時だ。
I am happy to join with you today
in what will go down in history
as the greatest demonstration for freedom
in the history of our nation.今日私は、
米国史の中で、
自由を求める最も偉大なデモとして
歴史に残ることになるこの集会に、
皆さんと共に参加できることを嬉しく思う。Five score years ago, a great American,
in whose symbolic shadw we stand today,
signed the Emancipation Proclamation.This momentous decree came
as a great beacon light of hope to
millions of Negro slaves
who had been seared in the flames of
withering injustice.It came as a joyous daybreak to
end the long night of their captivity.100年前、
ある偉大な米国民が、
奴隷解放宣言に署名した。今われわれは、
その人を象徴する坐像の前に立っている。この極めて重大な布告は、
容赦のない不正義の炎に焼かれていた
何百万もの黒人奴隷たちに、
大きな希望の光明として訪れた。それは、
捕らわれの身にあった
彼らの長い夜に終止符を打つ、
喜びに満ちた夜明けとして訪れたのだった。But one hundred years later,
the Negro still is not free.One hundred years later,
the life of the Negro
is still sadly crippled
by the manacles of segregation
and the chains of discrimination.One hundred years later,
the Negro lives on a lonely island of poverty
in the midst of a vast ocean
of material prosperity.One hundred years later,
the Negro is still languished
in the corners of American society
and finds himself an exile
in his own land.And so we’ve come here today to
dramatize a shameful condition.しかし100年を経た今日、
黒人は依然として自由ではない。100年を経た今日、
黒人の生活は、
悲しいことに依然として人種隔離の手かせと
人種差別の鎖によって縛られている。100年を経た今日、
黒人は物質的繁栄という
広大な海の真っ只中に浮かぶ、
貧困という孤島に住んでいる。100年を経た今日、
黒人は依然として
米国社会の片隅で惨めな暮らしを送り、
自国にいながら、
まるで亡命者のような生活を送っている。そこで私たちは今日、
この恥ずべき状況を劇的に訴えるために、
ここに集まったのである。In a sense we’ve come to
our nation’s capital to cash a check.When the architects of
our republic wrote the magnificent words
of the Constitution
and the Declaration of Independence,
they were signing a promissory note to
which every American was to fall heir.This note was a promise that all men,
yes,
black men as well as white men,
would be guaranteed the
“unalienable Rights” of “Life,
Liberty and the pursuit of Happiness.”It is obvious today that America has
defaulted on this promissory note,
insofar as her citizens of color are concerned.Instead of honoring this sacred obligation,
America has given the Negro people a bad check,
a check which has come back marked
“insufficient funds.”ある意味で、
われわれは、
小切手を換金するために
わが国の首都に来ている。われわれの共和国の建築家たちが
合衆国憲法と独立宣言に
崇高な言葉を書き記した時、
彼らは、
あらゆる米国民が継承することになる
約束手形に署名したのである。この手形は、
すべての人々は、
白人と同じく黒人も、
生命、
自由、
そして幸福の追求という
不可侵の権利を保証される、
という約束だった。今日米国が、
黒人の市民に関する限り、
この約束手形を不渡りにしていることは
明らかである。米国はこの神聖な義務を果たす代わりに、
黒人に対して不良小切手を渡した。その小切手は「残高不足」の印を
つけられて戻ってきた。But we refuse to believe
that the bank of justice is bankrupt.We refuse to believe
that there are insufficient funds
in the great vaults of
opportunity of this nation.And so,
we’ve come to cash this check,
a check that will give us
upon demand the riches of freedom
and the security of justice.だがわれわれは、
正義の銀行が破産している
などと思いたくない。この国の可能性を納めた大きな金庫が
資金不足であるなどと信じたくない。だからわれわれは、
この小切手を換金するために
来ているのである。自由という財産と正義という保障を、
請求に応じて受け取ることができる
この小切手を換金するために、
ここにやって来たのだ。We have also come to
this hallowed spot to remind America
of the fierce urgency of Now.This is no time to engage
in the luxury of cooling off
or to take the tranquilizing drug of gradualism.Now is the time to
make real the promises of democracy.Now is the time to
rise from the dark and desolate valley
of segregation to the sunlit path of racial justice.Now is the time to
lift our nation from the quicksands
of racial injustice to the solid rock of brotherhood.
Now is the time to
make justice a reality for all of God’s children.われわれはまた、
現在の極めて緊迫している事態を
米国に思い出させるために、
この神聖な場所に来ている。今は、
冷却期間を置くという贅沢にふけったり、
漸進主義という
鎮静薬を飲んだりしている時ではない。今こそ、
民主主義の約束を現実にする時である。今こそ、
暗くて荒廃した人種差別の谷から立ち上がり、
日の当たる人種的正義の道へと歩む時である。今こそ、
われわれの国を、
人種的不正の流砂から、
兄弟愛の揺るぎない岩盤の上へと
引き上げる時である。今こそ、
すべての神の子たちにとって、
正義を現実とする時である。It would be fatal for the nation to
overlook the urgency of the moment.
This sweltering summer of the
Negro’s legitimate discontent will not pass
until there is an invigorating autumn of
freedom and equality.Nineteen sixty-three is not an end,
but a beginning.And those who hope that the Negro needed
to blow off steam
and will now be content
will have a rude awakening
if the nation returns to business as usual.And there will be neither rest nor tranquility
in America until the Negro is
granted his citizenship rights.The whirlwinds of revolt will continue to
shake the foundations
of our nation
until the bright day of justice emerges.この緊急事態を見過ごせば、
この国にとって致命的となるであろう。黒人たちの正当な不満に満ちた
この酷暑の夏は、
自由と平等の爽快な秋が到来しない限り、
終わることがない。1963年は、
終わりではなく始まりである。黒人はたまっていた鬱憤を晴らす
必要があっただけだから、
もうこれで満足するだろうと期待する人々は、
米国が元の状態に戻ったならば、
たたき起こされることになるだろう。黒人に公民権が与えられるまでは、
米国には安息も平穏が訪れることはない。正義の明るい日が出現するまで、
反乱の旋風はこの国の土台を
揺るがし続けるだろう。But there is something
that I must say to my people,
who stand on the warm threshold
which leads into the palace of justice:
In the process of gaining our rightful place,
we must not be guilty of wrongful deeds.Let us not seek to satisfy our thirst for freedom
by drinking from the cup of bitterness and hatred.We must forever conduct our struggle
on the high plane of dignity and discipline.We must not allow our creative protest to degenerate
into physical violence.Again and again,
we must rise to the majestic heights of meeting
physical force with soul force.しかし私には、
正義の殿堂の温かな入り口に立つ
同胞たちに対して
言わなければならないことがある。正当な居場所を確保する過程で、
われわれは不正な行為を犯してはならない。われわれは、
敵意と憎悪の杯を干すことによって、
自由への渇きをいやそうとしないようにしよう。われわれは、
絶えず尊厳と規律の高い次元での闘争を
展開していかなければならない。われわれの創造的な抗議を、
肉体的暴力へ堕落させてはならない。われわれは、
肉体的な力に魂の力で対抗するという
荘厳な高みに、
何度も繰り返し上がらなければならない。The marvelous new militancy
which has engulfed the Negro community
must not lead us to a distrust of all white people,
for many of our white brothers,
as evidenced by their presence here today,
have come to realize
that their destiny is tied up with our destiny.And they have come to realize
that their freedom is inextricably bound
to our freedom.信じがたい新たな闘志が
黒人社会全体を包み込んでいるが、
それがすべての白人に対する
不信につながることがあってはならない。なぜなら、
われわれの白人の兄弟の多くは、
今日彼らが
ここにいることからも証明されるように、
彼らの運命がわれわれの運命と
結び付いていることを
認識するようになったからである。また、
彼らの自由がわれわれの自由と
分かち難く結びついていることを
認識するようになったからである。We cannot walk alone.
われわれは、
たった一人で歩くことはできない。And as we walk,
we must make the pledge
that we shall always march ahead.そして、
歩くからには、
前進あるのみということを
心に誓わなければならない。We cannot turn back.
引き返すことはできないのである。
There are those who are asking
the devotees of civil rights,
“When will you be satisfied?”
We can never be satisfied
as long as the Negro is
the victim of the unspeakable horrors
of police brutality.We can never be satisfied as long as our bodies,
heavy with the fatigue of travel,
cannot gain lodging in the motels of the highways
and the hotels of the cities.We cannot be satisfied
as long as the negro’s basic mobility is
from a smaller ghetto to a larger one.We can never be satisfied
as long as our children
are stripped of their self-hood
and robbed of their dignity by a sign stating:
“For Whites Only.”We cannot be satisfied
as long as a Negro in Mississippi
cannot vote and a Negro in New York believes
he has nothing for which to vote.No,
no,
we are not satisfied,
and we will not be satisfied
until justice rolls down like waters,
and righteousness like a mighty stream.公民権運動に献身する人々に対して、
あなたはいつになったら満足するのか
と聞く人たちもいる。われわれは、
黒人が警察の言語に絶する
恐ろしい残虐行為の犠牲者である限りは、
決して満足することはできない。われわれは、
旅に疲れた重い体を、
道路沿いのモーテルや町のホテルで
休めることを許されない限り、
決して満足することはできない。われわれは、
黒人の基本的な移動の範囲が、
小さなゲットーから大きなゲットーまでである限り、
満足することはできない。われわれは、
われわれの子どもたちが、
「白人専用」という標識によって、
人格をはぎとられ尊厳を奪われている限り、
決して満足することはできない。ミシシッピ州の黒人が投票できず、
ニューヨーク州の黒人が
投票に値する対象はないと考えている限り、
われわれは決して満足することはできない。そうだ、
決して、
われわれは満足することはできないのだ。そして、
正義が河水のように流れ下り、
公正が力強い急流となって流れ落ちるまで、
われわれは決して満足することはないだろう。I am not unmindful
that some of you have come here
out of great trials and tribulations.Some of you have come fresh
from narrow jail cells.And some of you have come from areas
where your quest — quest for
freedom left you battered
by the storms of persecution
and staggered by the winds of police brutality.You have been the veterans of creative suffering.
Continue to work with the faith
that unearned suffering is redemptive.Go back to Mississippi,
go back to Alabama,
go back to South Carolina,
go back to Georgia,
go back to Louisiana,
go back to the slums
and ghettos of our northern cities,
knowing that somehow this situation can
and will be changed.私は、
今日ここに、
多大な試練と苦難を乗り越えてきた人々が、
あなたがたの中にいることを
知らないわけではない。刑務所の狭い監房から
出てきたばかりの人たちも、
あなたがたの中にいる。自由を追求したために、
迫害の嵐に打たれ、
警察の暴力の旋風に圧倒された場所から、
ここへ来た人たちもいる。あなたがたは常軌を逸した
苦しみの経験を重ねた勇士である。これからも、
不当な苦しみは救済されるという
信念を持って
活動を続けようではないか。ミシシッピ州へ帰っていこう、
アラバマ州へ帰っていこう、
サウスカロライナ州へ帰っていこう、
ジョージア州へ帰っていこう、
ルイジアナ州へ帰っていこう、
そして北部の都市のスラム街や
ゲットーへ帰っていこう。きっとこの状況は変えることができるし、
変わるだろうということを信じて。Let us not wallow in the valley of despair,
I say to you today, my friends –
so even though
we face the difficulties of today and tomorrow,
I still have a dream.It is a dream deeply rooted
in the American dream.絶望の谷間でもがくことをやめよう。
友よ、
今日私は皆さんに言っておきたい。われわれは今日も明日も困難に直面するが、
それでも私には夢がある。それは、
アメリカの夢に深く根ざした夢である。I have a dream
that one day this nation will rise up
and live out the true meaning of its creed:
“We hold these truths to be self-evident,
that all men are created equal.”私には夢がある。
それは、
いつの日か、
この国が立ち上がり、
すべての人間は平等に
作られているということは、
自明の真実であると考える
というこの国の信条を、
真の意味で実現させるという夢である。I have a dream that one day
on the red hills of Georgia,
the sons of former slaves
and the sons of former slave owners
will be able to sit down together
at the table of brotherhood.私には夢がある。
それは、
いつの日か、
ジョージア州の赤土の丘で、
かつての奴隷の息子たちと
かつての奴隷所有者の息子たちが、
兄弟として
同じテーブルにつくという夢である。I have a dream
that one day even the state of Mississippi,
a state sweltering with the heat of injustice,
sweltering with the heat of oppression,
will be transformed
into an oasis of freedom and justice.私には夢がある。
それは、
いつの日か、
不正と抑圧の炎熱で焼けつかんばかりの
ミシシッピ州でさえ、
自由と正義のオアシスに
変身するという夢である。I have a dream
that my four little children
will one day live in a nation
where they will not be judged by the color
of their skin
but by the content of their character.私には夢がある。
それは、
いつの日か、
私の4人の幼い子どもたちが、
肌の色によってではなく、
人格そのものによって評価される国に
住むという夢である。I have a dream today!
今日、
私には夢がある。I have a dream
that one day,
down in Alabama,
with its vicious racists,
with its governor having his lips dripping
with the words of
“interposition” and “nullification” —
one day right there in Alabama little black boys
and black girls will be able to join hands
with little white boys and white girls
as sisters and brothers.私には夢がある。
それは、
邪悪な人種差別主義者たちのいる、
州権優位や連邦法実施拒否を主張する
州知事のいるアラバマ州でさえも、
いつの日か、
そのアラバマでさえ、
黒人の少年少女が
白人の少年少女と兄弟姉妹として
手をつなげるようになるという夢である。I have a dream today!
今日、私には夢がある。
I have a dream
that one day every valley shall be exalted,
and every hill and mountain shall be made low,
the rough places will be made plain,
and the crooked places will be made straight,
and the glory of the Lord shall be revealed
and all flesh shall see it together.私には夢がある。
それは、
いつの日か、
あらゆる谷が高められ、
あらゆる丘と山は低められ、
でこぼこした所は平らにならされ、
曲がった道がまっすぐにされ、
そして神の栄光が啓示され、
生きとし生けるものが
その栄光を共に見ることになる
という夢である。This is our hope,
and this is the faith
that I go back to the South with.これがわれわれの希望である。
この信念を抱いて、
私は南部へ戻って行く。With this faith,
we will be able to hew out of the mountain
of despair a stone of hope.With this faith,
we will be able to transform the jangling discords
of our nation
into a beautiful symphony of brotherhood.With this faith,
we will be able to work together,
to pray together,
to struggle together,
to go to jail together,
to stand up for freedom together,
knowing that we will be free one day.この信念があれば、
われわれは、
絶望の山から希望の石を
切り出すことができるだろう。この信念があれば、
われわれは、
この国の騒然たる不協和音を、
兄弟愛の美しい交響曲に
変えることができるだろう。この信念があれば、
われわれは、
いつの日か自由になると信じて、
共に働き、
共に祈り、
共に闘い、
共に牢獄に入り、
共に自由のために
立ち上がることができるだろう。And this will be the day —
this will be the day when all of God’s children
will be able to sing with new meaning:まさにその日にこそ、
すべての神の子たちが、
新しい意味を込めて、
こう歌うことができるだろう。“My country ‘tis of thee,
sweet land of liberty,
of thee I sing.Land where my fathers died,
land of the Pilgrim’s pride,
From every mountainside,
let freedom ring!”わが国、それはそなたのもの。うるわしき自由の地よ。
そなたのために、私は歌う。
わが父祖たちの逝きし大地よ。
巡礼者の誇れる大地よ。
あらゆる山々から、
自由の鐘を鳴り響かせよう。And if America is to be a great nation,
this must become true.そして、
米国が偉大な国家たらんとするならば、
この歌が現実とならなければならない。And so let freedom ring
from the prodigious hilltops of New Hampshire.だからこそ、
ニューハンプシャーの美しい丘の上から
自由の鐘を鳴り響かせよう。Let freedom ring
from the mighty mountains of New York.ニューヨークの雄大な山々から、
自由の鐘を鳴り響かせよう。Let freedom ring
from the heightening Alleghenies of Pennsylvania.ペンシルベニアの
アレゲーニー山脈の高みから、
自由の鐘を鳴り響かせよう。Let freedom ring
from the snow-capped Rockies of Colorado.
コロラドの雪に覆われた
ロッキー山脈から、
自由の鐘を鳴り響かせよう。Let freedom ring
from the curvaceous slopes of California.カリフォルニアの
なだらかで美しい山々から、
自由の鐘を鳴り響かせよう。But not only that:
だが、
それだけではない。Let freedom ring
from Stone Mountain of Georgia.
ジョージアの
ストーン・マウンテンからも、
自由の鐘を鳴り響かせよう。Let freedom ring
from Lookout Mountain of Tennessee.テネシーの
ルックアウト・マウンテンからも、
自由の鐘を鳴り響かせよう。Let freedom ring
from every hill and molehill of Mississippi.ミシシッピのあらゆる丘と塚から、
自由の鐘を鳴り響かせよう。From every mountainside,
let freedom ring.そしてあらゆる山々から
自由の鐘を鳴り響かせよう。And when this happens,
when we allow freedom ring,
when we let it ring
from every village and every hamlet,
from every state and every city,
we will be able to speed up
that day when all of God’s children,
black men and white men,
Jews and Gentiles, Protestants and Catholics,
will be able to join hands
and sing in the words of the old Negro spiritual:
これが実現する時、
そして自由の鐘を鳴り響かせる時、
すべての村やすべての集落、
あらゆる州とあらゆる町から
自由の鐘を鳴り響かせる時、
われわれは神の子すべてが、
黒人も白人も、
ユダヤ教徒もユダヤ教徒以外も、
プロテスタントもカトリック教徒も、
共に手をとり合って、
なつかしい黒人霊歌を歌うことのできる日の
到来を早めることができるだろう。“Free at last! Free at last!
Thank God Almighty, we are free at last!”ついに自由になった!ついに自由になった!
全能の神に感謝する。
われわれはついに自由になったのだ!
この演説から45年後の2008年8月28日、
バラク・オバマは黒人初の大統領候補指名を受諾している。
ピーター・ポール&マリー 関連 Playlist
最後に、
ピーター・ポール&マリー関連曲のプレイリストを。
17曲、
46分30秒。
01 Peter, Paul & Mary: Don’t think twice, it’s alright
02 Peter, Paul & Mary: Autumn To May
03 Bob Dylan: Don’t think twice, it’s alright
04 Paul Clayton: Who’s Gonna Buy You Ribbons (When I’m Gone)
05 Paul Clayton: This Land Is Your Land
06 Woody Guthrie: This Land Is Your Land
07 Peter, Paul & Mary: Quit Your Low Down Ways
08 Bob Dylan: Quit Your Low Down Ways
09 Kokomo Arnold: Milk Cow Blues
10 Kokomo Arnold: Old Original Kokomo Blues
11 Peter, Paul & Mary: Blowin’ in the Wind
12 Bob Dylan: Blowin’ in the Wind
13 Odetta: No More Auction Block
14 Bob Dylan: No More Auction Block
15 Peter, Paul & Mary: If I Had a Hammer
16 Peter, Paul & Mary: Gone The Rainbow
17 The Weavers: If I Had a Hammer
Comment Feel Free