- プレイヤーにハーパース・ビザールの新譜をのせて針を下した。
- Harpers Bizarre: Harpers Bizarre 4
- Harpers Bizarre: If We Ever Needed the Lord Before
- Orignal by
- Eddie Floyd: Knock on Wood
- Everything Is Everything Featuring Chris Hills: Witchi Tai to
- Otis Redding: Hard to Handle
- Marianne Faithfull: Something Better
- The Beatles: Blackbird
- I Love You, Alice B. Toklas
- Kenny Rankin: Cotton Candy Sandman (Sandman’s Coming)
- John Denver: Leaving on a Jet Plane
- Poly High
- Anything Goes
- おまけ
- Harpers Bizarre 関連 Playlist
- 村上春樹: 風の歌を聴け で流れる他の音楽たち
プレイヤーにハーパース・ビザールの新譜をのせて針を下した。
「ねえ、もしよかったら一緒に食事をしないか?」
―村上春樹,風の歌を聴け
彼女は伝票から目を離さずに首を振った。
「一人で食事をするのが好きなの。」
「僕もそうさ。」
「そう?」
彼女は面倒臭そうに伝票を脇にやり、
プレイヤーにハーパース・ビザールの新譜をのせて針を下した。
「じゃあ、何故誘うの?」
「たまには習慣を変えてみたいんだ。」
「一人で変えて。
彼女は伝票を手もとに寄せて作業の続きを始めた。
「もう私に構わないで。」
僕は肯いた。
「前にも言ったと思うけど、あなたって最低よ。」
Harpers Bizarre: Harpers Bizarre 4
ハーパース・ビザールは、
この物語の舞台1970年に解散している。
1度テッド・テンプルマンを除いて、
1976年再結成したけど。
ここで小指のない女の子がかける新譜は、
アルバムなら解散前最後のアルバムで前年1969年リリースの『Harpers Bizarre 4』だろう。
Track | Title | Written by |
A1 | Soft Soundin’ Music | Dick Scoppettone, Ted Templeman |
A2 | Knock on Wood | Steve Cropper, Eddie Floyd |
A3 | Witchi Tai to | Jim Pepper |
A4 | Hard to Handle | Alvertis Isbell, Allen Jones, Otis Redding |
A5 | When the Band Begins to Play | Scoppettone, Templeman |
A6 | Something Better | Gerry Goffin, Barry Mann |
B1 | Blackbird | Lennon-McCartney |
B2 | I Love You, Alice B. Toklas | Elmer Bernstein, Paul Mazursky, Larry Tucker |
B3 | There’s No Time Like Today | Scoppettone, Templeman |
B4 | All Through The Night | John Petersen, Scoppettone, Templeman |
B5 | Cotton Candy Sandman | Kenny Rankin |
B6 | Leaving On A Jet Plane | John Denver |
Harpers Bizarre: If We Ever Needed the Lord Before
シングルなら
1970年リリースの『If We Ever Needed the Lord Before』あたりか。
Track | Title | Written by |
A | If We Ever Needed The Lord Before | T. Templeman |
B | Mad | T. Templeman, D. Scoppetone |
日本だとリリースが少しずれるのかな?
そうすると『Poly High』かもしれないし『Anything Goes』かもしれない。
Track | Title | Written by |
A | Poly High | Harry Nilsson |
B | Soft Soundin’ Music | T. Templeman, D. Scoppetone |
Track | Title | Written by |
A | Anything Goes | Cole Porter |
B | Virginia City | T. Templeman, D. Scoppetone |
Orignal by
彼等はカヴァーが結構あって、
アルバム『Harpers Bizarre 4』にも何曲も入っているのでオリジナルを。
Eddie Floyd: Knock on Wood
エディ・フロイドと、
スティーブ・クロッパーが作詞作曲。
オリジナルは、
エディ・フロイド1966年『Got to Make a Comeback』と共にリリースされたシングル。
Track | Title | Written by |
A | Knock on Wood | Floyd, Cropper |
B | Got to Make a Comeback | Floyd, Shamwell |
この曲、
オーティス・レディングがカーラ・トーマスと一緒に唄ってカヴァーしている。
1967年カール・ウェルズ / デビッド・ポーター / アイザック・ヘイズが書いた、
B面の『Let Me Be Good To You』と共にシングル・リリース。
これが、
1番好きかな。
Track | Title | Written by |
A | Knock on Wood | Floyd, Cropper |
B | Let Me Be Good To You | Hayes, Porter, Wells |
Everything Is Everything Featuring Chris Hills: Witchi Tai to
書いたのは、
ネイティブ・アメリカンの血を引くテナー・サックス奏者ジム・ペッパー。
祖父から学んだ、
ネイティブ・アメリカン教会のペヨーテの歌に由来している。
オリジナルはペッパーが参加した、
エヴリシング・イズ・エヴリシング1969年のシングル。
クリス・ヒルズとコロンバス・ベイカーが書いた、
B面『Oooh Baby』と共にリリース。
Track | Title | Written by |
A | Witchi Tai To | Jim Pepper |
B | Oooh Baby | Chris Hills, Columbus Baker |
Otis Redding: Hard to Handle
オーティス・レディングが、
アル・ベルとアレン・ジョーンズと共作した曲。
1967年レディングが亡くなった翌年にリリースされたシングルがオリジナルで、
ジェスター・ヘアストンが書いたB面の『Amen』と共にリリースされている。
Track | Title | Written by |
A | Hard to Handle | A. Jones, A. Isbell, O. Redding |
B | Amen | Trad.Arr.by Otis Redding |
Marianne Faithfull: Something Better
書いたのは、
ジェリー・ゴフィンとバリー・マン。
1969年にマリアンヌ・フェイスフルが、
B面の『Sister Morphine』と共にリリースしたシングルがオリジナル。
Track | Title | Written by |
A | Something Better | Goffin, Mann |
B | Sister Morphine | Jagger, Richards |
B面は、
もちろんストーンズ1971年のアルバム『Sticky Fingers』の収録曲。
ジャガー/リチャードが書いた曲だけど、
フェイスフルの提訴で後に彼女もクレジットに加えられている。
The Beatles: Blackbird
クレジットはレノン=マッカートニーだけど、
実質ポール・マッカートニーが書いた曲。
もちろん、
1968年のアルバム『The Beatles』に収録されているのがオリジナル。
チャールズ・マンソンが『Helter Skelter』と共に、
ビートルズの終末的な人種戦争の予言として解釈したホワイト・アルバムの曲。
I Love You, Alice B. Toklas
これはハーパース・ビザールがオリジナルだけど、
書いたのはエルマー・バーンスタイン / ポール・マザースキー / ラリー・タッカー。
1968年ピーター・セラーズ主演の映画、
ハイ・アバーバック監督の『I Love You, Alice B. Toklas』の主題歌。
Kenny Rankin: Cotton Candy Sandman (Sandman’s Coming)
書いたのは、
ケニー・ランキン。
1967年、
アルバム『Mind-Dusters』の収録曲。
John Denver: Leaving on a Jet Plane
書いたのは、
ジョン・デンバー。
1969年リリースのアルバム『Rhymes & Reasons』の収録曲で、
トム・パクストンの書いた『Jimmy Newman』をB面にプロモ・シングルでリリースされている。
Track | Title | Written by |
A | Leaving on a Jet Plane | Denver |
B | Jimmy Newman | Paxton |
Poly High
書いたのは、
ハリー・ネルソン。
最初にリリースしたのは、
ハーパース・ビザールだから彼らがオリジナルではある。
ただネルソンも、
1971年のアルバム『The Point!』に吹き込んでいる。
Anything Goes
書いたのは、
コール・ポーター。
1934年のミュージカル『Anything Goes』で、
エセル・マーマンが唄ったのが最初。
おまけ
ハーパース・ビザールが、
1969年8月26日にトランス・ワールド航空840便ハイジャック事件に遭遇したのは有名な話だ。
ハイジャック事件に遭遇したハーパース・ビザール
航路は変更されシリアのダマスカス国際空港に着陸、
乗客・乗員127名中イスラエル人の2名を除く全員が解放された。
その中に、
彼らもいたわけだ。
2名のイスラエル人も、
後に捕虜にしていたシリア人・エジプト人71人の兵士の釈放と交換で解放されている。
このハイジャックの実行犯、
ライラ・カリドは美人革命家として世界的に有名になっている。
今でいうところの、
美しすぎる女性革命家って感じか。
バンド名の由来
ちなみに、
ハーパース・ビザールっていうバンド名。
これはニューヨークで1867年に創刊された世界最古の女性向けファッション雑誌、
『ハーパーズ・バザー(Harper’s BAZAAR)』のもじりというのも有名な話。
ヴァン・ダイク・パークスのアイディアと言われているけど、
バザーをビザール(奇怪な)に代えたものだ。
「前にも言ったと思うけど、あなたって最低よ。」
ずいぶんと感じが悪いのは、
出会った状況も悪かったしいろいろと勘違いされたんだから仕方がないと言えば仕方がない。
そんなことはわかっているはずの『僕』は、
それでも女の子を食事誘ってみたりする。
女の子と同じように一人で食事をするのが好きなんだけど、
習慣を変えたくて誘ってみたなんてある意味普通とは違うかもしれない。
ある意味普通とは違うかもしれないけど、
それが『僕』にとっての普通のコミュニケーションならそれも普通のことになる。
誰もが本当は違っていて、
違ってはいるんだけど多勢に寄って行ってしまい一般的普通が形成されていく。
そして寄せない人は変わっていると言われ、
下手をすると仲間外れにされたりもする。
Harpers Bizarre 関連 Playlist
最後に、
ハーパース・ビザールのアルバム『Harpers Bizarre 4』とシングルとその関連曲のプレイリストを。
33曲、
1時間35分。
01 Harpers Bizarre: Soft Soundin’ Music
02 Harpers Bizarre: Knock on Wood
03 Eddie Floyd: Knock on Wood
04 Eddie Floyd: Got to Make a Comeback
05 Otis And Carla: Knock on Wood
06 Otis And Carla: Let Me Be Good To You
07 Harpers Bizarre: Witchi Tai to
08 Everything Is Everything Featuring Chris Hills: Witchi Tai to
09 Everything Is Everything Featuring Chris Hills: Oooh Baby
10 Harpers Bizarre: Hard to Handle
11 Otis Redding: Hard to Handle
12 Otis Redding: Amen
13 Harpers Bizarre: When the Band Begins to Play
14 Harpers Bizarre: Something Better
15 Marianne Faithfull: Something Better
16 Marianne Faithfull: Sister Morphine
17 The Rolling Stones: Sister Morphine
18 Harpers Bizarre: Blackbird
19 The Beatles: Blackbird
20 Harpers Bizarre: I Love You, Alice B. Toklas
21 Harpers Bizarre: There’s No Time Like Today
22 Harpers Bizarre: All Through the Night
23 Harpers Bizarre: Cotton Candy Sandman (Sandman’s Coming)
24 Harpers Bizarre: Leaving on a Jet Plane
25 John Denver: Leaving on a Jet Plane
26 John Denver: Jimmy Newman
27 Harpers Bizarre: If We Ever Needed the Lord Before
28 Harpers Bizarre: Mad
29 Harpers Bizarre: Poly High
30 Harry Nilsson: Poli High
31 Harpers Bizarre: Anything Goes
32 Ethel Merman: Anything Goes
33 Harpers Bizarre: Virginia City
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