ビーチ・ボーイズの久しぶりの新しいLP

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ビーチ・ボーイズは久し振りに新しいLPを出した

「カリフォルニア・ガールズ」のレコードは、
まだ僕のレコード棚の片隅にある。
夏になるたびに僕はそれをひっぱり出して何度も聴く。
そしてカリフォルニアのことを考えながらビールを飲む。
レコード棚の隣りには机があり、
その上には乾いてミイラのようになった草の塊りがぶらさがっている。
牛の胃袋から取り出した草だ。
死んだ仏文科の女の子の写真は引越しに紛れて失くしてしまった。
ビーチ・ボーイズは久し振りに新しいLPを出した。

素敵な女の子がみんな、
カリフォルニア・ガールならね……。

―村上春樹,風の歌を聴け

The Beach Boys: Love You / 15 Big Ones

最後にまた、
ビーチ・ボーイズの『California Girls』が出てくる。

ただカリフォルニア・ガールズのレコードは、
何回か出てきたからもう良いだろう。

そして、
ビーチ・ボーイズが久し振りに新しいLPを出したニュースが語られる。

後日談として語られるのは『僕』は29歳の時なので、
時は1977年。

ビーチ・ボーイズが1977年にリリースしたアルバムは、
ブライアン・ウィルソンが全曲の作曲に関わった『Love You』。

彼が全曲に絡んだアルバムは、
1967年『Smiley Smile』以来。

ただ久し振りにリリースしたというのなら、
1973年『Holland』以来のリリースの1976年の『15 Big Ones』になる。

こちらは、
1966年『Pet Sounds』以来のブライアン・ウィルソンのプロデュース作。

こちらは、
収録曲の半分以上がカヴァー曲。

果たして、
どっちなんだろう?

いずれにしても、
この頃のウィルソンは精神疾患との闘いの最中。

どちらにしても『僕』が聴くのは、
まだウィルソンがまともだった『カリフォルニア・ガールズ』のレコード。

15 Big Ones Orignals

半分以上がカヴァーのアルバム『15 Big Ones』、
収録曲のオリジナルはこんな感じ。

Chuck Berry: Rock And Roll Music

1957年のチャック・ベリー、
B面『Blue Feeling』と共にリリースされたシングル。

TrackTitleWritten by
ARock And Roll MusicChuck Berry
BBlue FeelingChuck Berry
Label:Chess Catalgue:1671 Date:Sep 1957

The Dixie Cups: Chapel Of Love

ディキシー・カップス、
1964年のシングル。

書いたのは、
ジェフ・バリー / エリー・グレニッチ / フィル・スペクター。

アール・ジョンソンが書いたB面『Ain’t That Nice』と共に、
A面でリリース。

TrackTitleWritten by
AChapel Of LoveJeff Barry, Ellie Greenwich and Phil Spector
BAin’t That NiceChuck Berry
Label:Red Bird Catalgue:RB 10-001 Date:Apr 1964

Little Willie John: Talk to Me, Talk to Me

リトル・ウィリー・ジョン、
1958年のシングル。

書いたのは、
ジョー・セネカ。

ヘンリー・グローバーとオーティス・ブラックウェルが書いた『Spasms』をB面に、
A面でリリース。

TrackTitleWritten by
ATalk To Me, Talk To MeJoe Seneca
BSpasmsGlover, Blackwell
Label:King Catalgue:45-5108 Date:Jan 1958

Freddy Cannon: Palisades Park

フレディ・キャノン、
1962年のシングル。

書いたのは、
チャック・パリス。

B面は、
『June, July, And August』。

書いたのはバーナード・ビニック / フランク・スレイ・ジュニア、
フレデリック・ピカリエロ / トニー・ママレラ。

TrackTitleWritten by
APalisades ParkChuck Barris
BJune, July, And AugustBinnick, Slay, Picariello, Mammarella
Label:Swan Catalgue:S-4106 Date:Jul 1962

The Six Teens: A Casual Look

ザ・シックス・ティーンズ、
1956年のシングル。

書いたのは、
エド・ウェルズ。

同じくウェルズが書いたB面『Teen Age Promise』と共に、
A面でリリース。

TrackTitleWritten by
AA Casual LookEd. Wells
BTeen Age PromiseEd. Wells
Label:Flip Catalgue:45-315 Date:Jul 1956

Swing & Sway with Sammy Kaye / Tommy Ryan: Blueberry Hill

サミー・ケイとスイング&スウェイ – トミー・ライアンによるヴォーカル・リフレイン、
1940年のシングル。

書いたのは、
ヴィンセント・ローズ / ラリー・ストック / アル・ルイス。

アラン・フリンとフランク・マッデンが書いたB面『Maybe』と共に、
A面でリリース。

TrackTitleWritten by
ABlueberry HillAl Lewis, Larry Stock, Vincent Rose
BMaybeAllan Flynn, Frank Madden
Label:Victor Catalgue:26643 Date:June 21, 1940

The Five Satins: In The Still Of The Night 

ザ・ファイヴ・サティンズ、
1956年のシングル。

書いたのは、
フレッド・パリス。

ジム・フリーマンが書いた『The Jones Girl』をB面に、
A面でリリース。

TrackTitleWritten by
AIn The Still Of The NightF. Paris
BThe Jones GirlJ. Freeman
Label:Ember Catalgue:E-1005 Date:1956

The Righteous Brothers: Just Once in My Life

ライチャス・ブラザーズ、
1965年のシングル。

書いたのは、
ジェリー・ゴフィン / キャロル・キング / フィル・スペクター。

ビル・メドレーが書いた『The Blues』をB面に、
A面でリリース。

TrackTitleWritten by
AJust Once in My LifeC. King, G. Goffin, P. Spector
BThe BluesBill Medley
Label:Philles Catalgue:127 Date:1965

おまけ

乾いてミイラのようになった草の塊りは、
過去を引きずっている証拠だ。

そのくせ死んだ仏文科の女の子の写真は失くしてしまった、
という。

写真を失くしてしまったことで、
ある意味仏文科の女の子は永遠に『僕』の中に残るに違いない。

写真よりも薄れていく面影の方が、
明確でない分ずっとそこに存在していたりするものなのだ。

ビーチ・ボーイズの久しぶりの新しいLP 関連 Playlist

最後に、
ビーチ・ボーイズの久しぶりの新しいLP関連のプレイリストを。

44曲、
1時間53分。

01 The Beach Boys: Let Us Go on This Way
02 The Beach Boys: Roller Skating Child
03 The Beach Boys: Mona
04 The Beach Boys: Johnny Carson
05 The Beach Boys: Good Time
06 The Beach Boys: Honkin’ down the Highway
07 The Beach Boys: Ding Dang
08 The Beach Boys: Solar System
09 The Beach Boys: The Night Was So Young
10 The Beach Boys: I’ll Bet He’s Nice
11 The Beach Boys: Let’s Put Our Hearts Together
12 The Beach Boys:  I Wanna Pick You Up
13 The Beach Boys: Airplane
14 The Beach Boys: Love Is a Woman
15 The Beach Boys: Rock And Roll Music 
16 Chuck Berry: Rock And Roll Music
17 Chuck Berry: Blue Feeling
18 The Beach Boys: It’s OK
19 The Beach Boys: Had To Phone Ya
20 The Beach Boys: Chapel Of Love
21 The Dixie Cups: Chapel Of Love
22 The Dixie Cups: Ain’t That Nice
23 The Beach Boys: Everyone’s In Love With You
24 The Beach Boys: Talk To Me
25 Little Willie John: Talk to Me, Talk to Me
26 Little Willie John: Spasms
27 The Beach Boys: That Same Song
28 The Beach Boys: TM Song
29 The Beach Boys: Palisades Park
30 Freddy Cannon: Palisades Park
31 Freddy Cannon: June, July and August
32 The Beach Boys: Susie Cincinnati
33 The Beach Boys: A Casual Look
34 The Six Teens: A Casual Look
35 The Six Teens: Teen Age Promise
36 The Beach Boys: Blueberry Hill
37 Swing and Sway with Sammy Kaye – Vocal Refrain by Tommy Ryan: Blueberry Hill
38 The Beach Boys: Back Home
39 The Beach Boys: In The Still Of The Night
40 The Five Satins: In The Still Of The Night 
41 The Five Satins: The Jones Girl
42 The Beach Boys: Just Once in My Life
43 The Righteous Brothers: Just Once in My Life
44 The Righteous Brothers: The Blues

村上春樹: 風の歌を聴け で流れる他の音楽たち

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